経鼻内視鏡について

新しい胃カメラ検査

 日本人は欧米人に比べても、胃がんによる死亡率は高く、胃がんの発見から治療への第一選択として、内視鏡検査(胃カメラ)を受けることは非常に重要です。しかし、内視鏡検査は「とても苦しい検査」というイメージが大きく、実際は「できることなら受けたくない」と患者様から敬遠されてしまいます。
 そこで最近は「苦しくない胃カメラ検査」として、超細経スコープを用いた「経鼻内視鏡検査」が注目されています。

経鼻内視鏡の利点

 経鼻内視鏡検査とは、超細経スコープを用いた新しい内視鏡検査で、スコープの先端部の直径は5mm程しかなく、スコープそのものによる刺激もだいぶ少なくなりました。また、従来の口からではなく鼻から挿入することにより、直接咽頭を刺激しないので、嘔気などの咽頭反射を防ぐことができ、苦しくない胃カメラ検査を行うことができます。加えて、咽頭麻酔の必要がないので、検査後に麻酔の回復を待つなどの 行動の制限を受けることも少なくなりました。

必要に応じた使い分け

 まさに“言うことなし”の超細経スコープなのですが、実は苦手なこともあり、それは従来のものに比べ画素数が低いため、微細構造の描出が若干劣ることと、その細さがゆえに処置に制限があることです。簡単な組織の採取は問題ありませんが、腫瘍やポリープの切除には従来の内視鏡に頼らざるを得ません。